ライカ T 701 購入ガイド、ライカTの魅力を探る

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ライカ T詳細

本ページ上に掲載していた以前のライカT写真は、ライカ T発表日以前の流出写真まとめへ移動した。

2014年4月27日(日)に、ライカ銀座店で行われたライカT発表イベント(銀座)へ参加したのでライカT詳細をお伝えする。

ライカ Tの実物に触れた感想・レビュー 2014.4.27

2014年4月27日(日)にライカ銀座店2Fで行われたライカT発表イベントに参加した。店内には招待客が20名ほど参加、ライカ社によるライカTプレゼンテーションの後に、2名の写真家による対談イベントが行われ、その後、店内で実際にライカTに触れることができた。実物に触れて気付いた点をお伝えする(随時記事追加中)。

Leica T
ライカT の実物を触ってきた。

予想以上に軽いボディ、ボディの質感はかなり良い

Leica T vs Leica M typ 240
ライカ TとライカMを比べると、ライカMよりも2まわり程小さくて軽い、質感は良い。

レンズのついたライカTを持ったが、ライカMと比べると約300g程度軽くなっているだけあり、予想以上に軽かった。

アルミブロック削り出しのユニボディ

Leica T uni body
ライカTボディはこのアルミブロックを削り出して作られる(画像をクリックで大きな画像を表示)。
(LEICA M240+LEICA APO MACRO ELMARIT-R 100mm f/2.8で撮影)。

またアルミ削り出しのボディの質感はかなり良い。ライカTはアップル製品っぽくなったと言われるが、アップル製品以上に手作り感あふれるライカTボディの質感は素晴らしい。削り出す前の無垢のアルミブロック(写真奥)を手にするとずしりと重かったが、削り出した後の手前のボディ外装を手に取ると本当に軽かった。ライカ店員さん曰く、アルミブロックは1.2kgあり、削り出したボディ外装は94gしかないと。つまり、無垢のアルミブロックのうち92%が削られ8パーセントしか利用しないのだ、さらに、職人により45分間かけて手磨きされる。アルミ外装の内側は工作機械で削られたものだが、ツルツル光っており丁寧に削られることが分かる。

ライカTのシャッター音は非常に小さい

予想以上に小さなシャッター音だった。ライカM240もカタンッという小さな音であるが、ライカTはその音をさらに数分の1に小さくしたカタッという音である。割と静かな場所で撮影してもシャッター音に気付かれることは少ないと思う。ライカファンはシャッター音にもこだわる。ニコンD4などの国内一眼レフモデルでは、ガシャンという大きなシャッター音がするが、ライカカメラのシャッター音は全般的に小さい。これはライカのレンジファインダーにはミラーが無いため、ミラー跳ね上げ音がしない分元々音が小さい。ライカTは、おそらくボディーがアルミ削り出しのユニブロックのため、元々小さいシャッター音がそのアルミブロックに遮られて外への音漏れが少ない分、より小さなシャッター音となるのだろう。筆者は、ライカTのシャッター音を非常に気に入った。

ライカTにMレンズを付けた姿が美しい

Leica T with Leica M SUMMILUX 50mm f/1.4
ライカTに、マウントアダプターを介してライカM ズミルックス 50mm f/1.4を付けたライカT。小さなライカTのボディに細身のライカMレンズが見事に調和している。ライカTと同時発売されるTレンズよりも、このMレンズを付けたライカTが格好良い!
(LEICA M240+LEICA APO MACRO ELMARIT-R 100mm f/2.8で撮影)。

ライカTでライカMレンズを使うためのマウントアダプター「MアダプターT」には、さらに特別な機能が付いている。それは、現行のMレンズに付いている6ビットコードを認識し、ライカTボディに伝えることができるという機能だ。MアダプターTには、Mレンズ側の6ビットコードを読み取る仕組みと、それを電気信号に変えてライカTボディに伝える電気接点が付いている。MアダプターTを介してMレンズを使うことにより、Mレンズの名称をライカTボディに自動認識させ、Mレンズ名がEXIFデータに記録できるのは嬉しい。

ライカT専用の電子ビューファインダービゾフレックスの使い勝手が良い

ライカT専用の電子ビューファインダーVISOFLEXを使って見たが次の点で優れている。

第一に、ビゾフレックスには近接センサーが付いており、顔をファインダーに近づけだけでと自動的にファインダー内の液晶が表示されるので使い勝手が良い。同じライカカメラ社のライカMの電子ビューファインダーEVF2は、ファインダーのスイッチを押すことによりスイッチをON/OFFできるがON/OFFの切替が面倒である。ライカTの電子ビューファインダーは、顔を近づけただけで自動的にONされるので速射性にも優れる。

第二に、ライカMの電子ビューファインダーEVF2と比べて遥かに高解像度であるため、中央部を拡大表示させなくてもピント合わせが容易である。また、ライカMの電子ビューファインダーEVF2と比べて、表示の遅延が少ない。EVF2はかなり表示に遅延があるため、動く被写体を撮影するのに向いていないが、ライカTのビゾフレックスは通常利用では全く問題無いだろう。ライカTでライカMレンズを使う場合もピント合わせしやすい。

なお、正確にマニュアルでピント合わせを行う際は、ビゾフレックスで中央部分を拡大表示できるが、EVF2と同様に拡大位置は中央部分のみで、拡大位置を上下左右に動かすことはできない。三脚を使って撮影する際に正確にピント合わせを行う際には中央部分しか拡大表示できないのは不便なので、ぜひこの点は改良して頂きたい。

上記の通り、ビゾフレックスの使い勝手はかなり良い。ファインダーを覗きながら自然なスタイルで撮影できるこのアクセサリーはライカTと一緒にぜひ購入したいマストバイアイテムと言える。

ライカTレンズの外装は金属製

ライカTと同時に発表されたライカTレンズは写真だけ見るとレンズの外装がプラスチック製か金属製か分からなかったが、実際に本物のTレンズに触れたところ、外装は金属製であった、ライカ店員によると、レンズのデザインはMレンズと同様に作られているとのこと。確かに、ピントリングのデザインはMレンズにそっくりだ。そして、国内ミラーレスカメラのレンズのようにプラスチック製でなく質感は良い。また、国内ニコンやキヤノンのレンズはピントリング周りが金属でなく、滑り止めのゴム製であったりするが、このゴム製の場合経年変化で白くなったり劣化したりするが、ライカレンズは金属製のため、経年変化の心配も無い。金属が黒くペイントされたもののため、長年使うことにより一部塗装が剥がれて中の金属が見えることもあるが、塗装が一部剥がれたとしてもそれはライカレンズの味なのである。

ライカTレンズは日本製であることが判明 (残念なお知らせ)

Leica T lens made in Japan
ライカ Leica 11081 ズミクロンT f2/23mm ASPH. (日本製であることが判明)
(LEICA M240+LEICA APO MACRO ELMARIT-R 100mm f/2.8で撮影)。

残念なお知らせが一つある、それはライカTレンズが日本製であるということである。ドイツ製のライカはレンズの作りや性能の良さが魅力の一つである。今回ライカTと同時に発表されたライカTレンズは一本20万円もする高額なので、レンズはドイツ製かと期待していたが、レンズの底にはMADE IN JAPANと書かれていることを発見した。メイドインジャパンであれば耐久性などの品質は問題ないだろうが、ドイツ製を期待しただけに少々残念だ。パナソニックかソニー製なのだろうか(製造メーカーは不明)。

ライカTのストラップ接続部分の作りが面白い

Leica T strap
ライカTを操作する人、2014.4.27、ライカ銀座店でのライカT発表イベントにて。
(LEICA M240+LEICA APO MACRO ELMARIT-R 100mm f/2.8で撮影)。

ライカTのボディの両サイドにある穴にストラップを差し込むと、カチッとストラップがはまる仕掛けになっている。ストラップを外すには、その穴の下にある小さな穴に付属のピンを押し込むとストラップが外れる(アップルのiPhoneのSIMカード取付トレーと同じような構造になっている)。ライカ社によると、このストラップは通常では不用意に外れないほどしっかりとした作りになっているとのこと。なお、購入時には、穴が別のフタ部品によりふさがれた状態になっているので、そのフタを取って、ネックストラップを差し込んで利用する。元々付いていたフタを無くさないように、しっかりと保管しておこう。

ライカT付属のストラップは長さ調整できない (別売りストラップは長さ調整可能)

ライカTを購入すると付いてくる付属のネックストラップは長さ調整できない。日本人男性の標準体型なら、普通に首からさげたり、肩からたすき掛けしてもまあ問題無い長さであるが長さ調整が必要な方は、別売りのライカTストラップを購入すれば良い。別売りのライカTストラップ(価格は1万円弱)は長さ調整可能である。

ライカTの電池収納の仕掛けがユニークだ

ライカTの底面の中央付近にあるレバーを横に動かすと、カチッと電池が数ミリ浮き出た状態になる。この状態でも電池が不用意に抜け出る心配は無い。もう一度電池の底を押すと電池が押し出されて取り外せる仕掛けになっている。もう一度電池を押し込むと電池が収納されて、ロックされる。電池取り外し時に電池が抜け出て落ちる心配が無いので安全である。また、電池収納部には国内カメラのような裏蓋はついておらず、電池そのものが裏蓋の役目もする。つまり、電池を外した状態ではライカTの底に穴が空いた状態となっている。電池を充電するために外した状態のままライカTを持ち出す心配が無いのが安全である(穴が空いているのですぐに気付くだろう)。

ライカTには再生ボタンが付いていない

ライカTには再生ボタンが付いていない。では、どうやって撮影した写真や動画を見るのだろうか。それはタッチパネルを使うちょっとした操作で可能になる。メイン電源スイッチを入れ、背面液晶を上から下へスライド(フリック)させると写真が表示され、再生モードになる、後は、左右にフリックすることにより前後の写真を見ることができる。また日本の指を使ってピンチアウト、ピンチインすることにより、写真を拡大縮小できる。再生ボタンが付いていないので、初めてライカTを使った方は戸惑うかも知れないが、馴れればタッチパネル操作は簡単だ。ちなみに、ピント合わせも背面液晶をタッチするだけで、タッチした箇所へピント合わせを行える。

ライカT、ボディ上部の右手前に付いている二つのダイヤルには機能を割り当てられる

上部の二つの大きなダイヤルには、通常のカメラのダイヤルについているようなシャッター速度やモードの刻印が書かれていない。この二つのダイヤルには、自由に機能を割り当てることができるのだ。通常、右側のダイヤルには絞り優先モードの絞り値を割り当て、左のダイヤルにはデフォルトでISO感度が割り当てられている。筆者は露出補正機能を良く利用するので、露出補正機能を割り当てたい。他にホワイトバランスなど、別の機能を割り当てることも可能だ。今までのカメラと全く操作方法が異なるので最初は戸惑うかも知れないが、馴れれば自分好みにカスタマイズして、指が自然と動くほど手に馴染むカメラになるという(イベント会場で写真家が語る)。

ライカTの操作パネルはタッチパネル、マイメニューカスタマイズ可能

Leica T my menu
ライカ Tのマイメニューに好きな機能のショートカットを配置できる。写真家の河田一規氏がプレゼン。
(LEICA M240+LEICA SUMMILUX-M 21mm f/1.4で撮影)。

ライカTの背面液晶はタッチパネル対応で、各種メニュー操作をタッチパネルを使って行う。なお、マイメニューはリスト形式でなく、iPhoneのアプリのようにアイコン形式になっている。マイメニューには良く利用するメニューアイコンを設置することができ、またその順番を並び替えることもできる。自分流にカスタマイズして、自分だけのライカTメニューを作ろう。

ライカTには16GBの内蔵メモリが付いている

ライカTには内蔵メモリが16G付いているので、メモリカードを差し込んで無くても、16GBまでは撮影できる。内蔵メモリに保管されたデータは、Wi-Fiを通じてライカTアプリへ転送させたり、また後から差し込んだメモリカードにコピーすることもできる。ライカTアプリから内蔵メモリ上のデータを削除することも可能だ。SDカードを取り外したままカメラを持ち出してあれっ、メモリが入っていないというアクシデントを防ぐことができるのは良い仕様だ。

ライカTは、マウントアダプターを介してMレンズはもちろん、RレンズやLレンズも活用できる

Leica T with Leica Rレンズ
ライカTに、ライカAPO MACRO ELMARIT-R 100mm f2.8を付けてみた。写っている手は、ライカカメラ プロダクトマネジャーのステファン・ダニエル氏の手。
Leica T mit Leica APO MACRO ELMARIT-R 100mm f2.8 in Japan.
Hand auf dem Bild ist Herr Stefan Daniel von Leica-Kamera-Produktmanager.

筆者所有のライカAPO MACRO ELMARIT-R 100mm f2.8をライカTに付けて撮影したが使い勝手、写り、共に良好であった。ライカ純正マウントアダプターを用いれば、優れたRレンズの性能をライカTで100%活かすことができることだろう。

ライカTに、マウントアダプター「MアダプターT」を付ければMレンズを利用できるが、MアダプターTに加えて、RアダプターMを付けると、つまり、マウントアダプターを2つ経由して、Rレンズを利用することができる。ピント合わせは背面液晶、またはビゾフレックスで行うが、使い勝手は非常に良い。やはり、ライカTにライカ純正アダプター2つ、そして、ライカ純正Rレンズと全て純正で使うのは気持ち良い。また、ライカAPO MACRO ELMARIT-R 100mm f2.8のように神レンズと呼ばれるオールドレンズを最新のテクノロジーの詰まったライカTで使えるのは素晴らしいことだ。なお、ライカTは、MマウントやRマウントなどの35mmフルサイズレンズと比べて焦点距離が1.5倍になる。つまり、50mmレンズを利用すると、画角は50×1.5倍=75mmレンズと同様の画角になり、100mmレンズを利用すると、150mmの画角になる。画角は変わるが最短撮影距離は変わらない。ライカMレンズは最短距離が0.7mと、国産のミラーレスカメラや国産の一眼レフに比べると最短距離が長めとなっているが、ライカTでMレンズを使用すると、ズミルックス50mm f/1.4が75mm f/1.4のレンズで、最短距離0.7mとなり、実質撮影倍率が高くなり使い勝手がよくなる。ライカT発売直後は望遠系のTレンズが無いため、MレンズやRレンズを持っている方は、マウントアダプターを通じてレンズ資産を活かしてライカTを楽しみたい。

ライカTの背面にはLEICA CAMERA WETZLAR GERMANYと書かれている

ライカTの背面にはLEICA CAMERA WETZLAR GERMANYと書かれている。ここで「WETZLAR」という文字がポイントである。WETZLARはライカ創業の地であり、その後1980年代に本社工場をソルムス移転し、WETZLARの文字を使うことができなくなった。ライカカメラ誕生から100周年を迎える2014年、5月末に新たに創業の地であるWETZLARに本社、工場を構えることになり、ライカカメラは改めて、WETZLARの文字を使えることになったのだ。オールドライカ製品でWETZLARの名前の刻まれた製品はオークション等でも高値で取引されるほど、ライカファンにとっては思い入れの大きい地名である。WETZLAR GERMANYと刻まれることになったライカTは、ライカファンにとっても待ちに待った製品となることだろう。

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