ライカでニコンのレンズを使う方法をレビュー

ライカでニコンレンズを使う方法

ライカ M type 240を購入したら試したいのが他社レンズを使った撮影である。ライカMマウントのフランジバックは27.8mmであり、一般的な一眼レフカメラのフランジバックよりも短いため、レンズとボディの間にマウント変換アダプターを接続して他社製レンズを楽しむことができる。例えば、ニコンのFマウント(Gレンズを含む)のフランジバックは46.5mmなので、ニコンレンズとライカMボディの間に46.5mm-27.8mm=18.7mmのマウントアダプターを装着してレンズとボディを接続するのである。次の写真は、ライカMボディ(M type 240に対応)に、ニコンGレンズを接続するノボフレックス NOVOFLEX LEM/NIK NT マウントアダプターである。


ライカMボディにニコンのレンズを付けるNOVOFLEXマウントアダプター(絞りリング付き)

このマウントアダプターの優れているのが、ニコンGレンズについている絞りリング操作ができるということ。ニコンGレンズはニコン一眼レフに使う自動絞り対応のレンズであるが、レンズには絞りリングが存在しない、ニコンボディでは、カメラ側の電子制御によりレンズ上の絞りリングを自動制御するのである。ニコンGレンズをライカM type 240に接続する際に、絞りレンズに未対応のマウントアダプターを使ってしまうと、レンズの絞り操作ができないため、レンズの開放絞り値でのみしか撮影を行うことができない。上記ノボフレックスのマウントアダプターには、アダプターに絞りリングが付いており、この絞りリングを動かすことにより、レンズの絞り値を手動で操作できるのである。

ただし、マウントアダプターの絞りリングには絞り値の表示が無く、レンズの絞りを手動で操作できるものの、現在いくつの絞り値であるかは確認することができない。

なお、絞りリング付きのニコンDタイプレンズではレンズ側の絞りリングを使って問題無く撮影できた。
参考)⇒ Leica M typ 240に Nikon Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8Dを付けて撮影した実例

ライカMタイプ240でニコンレンズを楽しむ

筆者は、元々一眼レフはキヤノン派であった。フイルム時代は、CANON EOS-1という一眼レフを使っていたが、2007年暮れにニコンD3が発売された際に、その高感度性能に憧れてニコンへ乗り換えた、現在は、ニコンD3の後継機であるニコンD4に加えて、ニコン大三元と呼ばれるNIKON AF-S NIKKOR 14-24㎜ f/2.8G ED、AF-S NIKKOR 24-70㎜ f/2.8G ED、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIのf2.8通しの高性能ズームレンズを所有している。

今回ライカMタイプ240を購入したのだが、マウントアダプターを装着することにより、ライカMでニコンGレンズ(自動絞り)を使えることが分かったので、早速マウントアダプターを購入してみた。マウントアダプターは様々なメーカーから発売されているが、検討した結果、ニコンGレンズの自動絞りにも対応するNOVOFLEXの LEM/NIK NTというタイプのマウントアダプターを購入した。ノヴォフレックスのNIKONマウントアダプターには、自動絞り対応のLEM/NIK NTというタイプと、過去には自動絞りに対応しないLEM/NIKというタイプも存在するので購入時には注意したい。

ライカMタイプ240の特徴として、撮像素子がCMOSになったことにより、ライブビューに対応したことが上げられる。ライブビュー機能の無い以前のライカMデジカメM8、M8.2、M9は他社製レンズを付けても、ピント合わせを正確に行うことができない。ライカMには、レンズと連動した距離計によりピント合わせを行う機構が付いているが、他社製レンズを装着した場合は距離計と連動出来ず、正確なピント合わせを行うことができず、目測でピントリングを合わせて勘で撮影するしかない。LEICA M type 240はライブビュー機能により、正確なピント合わせを行うことができる。さらに、EVF2 電子ビューファインダーを装着することにより一眼レフのようにファインダーを覗きながらピント合わせを行うことができる。また、露出に関しては、絞り優先自動露出機能が付いているため、レンズマウントアダプターの絞りリングで絞りを手動調節した上で、ライカMのシャッタースピードをAモード(絞り優先)に合わせて置くと、自動露出により撮影することができる。

ライカM type240でニコンレンズ AF-S NIKKOR 14-24㎜ f/2.8G EDを使う

早速、ライカMタイプ240にNIKONレンズ 14-24mm f2.8を装着してみた。


ライカM type240ボディにNIKON AF-S NIKKOR 14-24㎜ f/2.8G EDを装着

NIKONレンズ14-24mm f/2.8G EDは神レンズと呼ばれるほど驚異的な高性能レンズである。超広角レンズであるにも関わらず、キヤノンの超広角Lズームjレンズよりも遥かに良い写りをするばかりか、単焦点広角レンズと比べても驚異的に撮影できる、正に神レンズであう。写真の周辺も流れることなく、くっきりと撮影できる。ライカMタイプ240で、この神レンズニコン14-24mmを使えることは本当にお大きな喜びである。早速室内を試写してみたが写りは大変良好であった。

ライカM type240は、ライカのレンズ群はもちろん、ニコンやキヤノンのオールドレンズまで装着して写真を楽しむことができる、正に神レンジファインダーカメラと言える。今までキヤノンやニコン、ソニーなどの他社製一眼レフでボディやレンズを揃えて来た方も、今までのレンズ資産を十分に活かすことができる神カメラである。なお、最近売れているミラーレス一眼カメラはフランジバッグが短いため、ミラーレス一眼カメラのレンズをライカMで利用することはできないが、逆にミラーレス一眼でライカMレンズを利用することはできる。

ノボフレックス NOVOFLEX LEM/NIK NT マウントアダプターの良い点、悪い点

◎他社製レンズ資産を最大生かせる

ノボフレックス NOVOFLEX LEM/NIK NT マウントアダプターを使えば、ニコンのレンズ沼にはまった人も、普通にニコンのレンズを複数持っている方も、Leica Mでニコンレンズ資産を最大限生かすことが可能である。絞りリング無しのニコンGレンズも、このマウントアダプターを使えば絞り操作が可能である(但し絞り値は表示不能)。絞り付きのニコンDタイプレンズは、レンズ本体の絞りリングを使って撮影可能。Leica M type 240の広いダイナミックレンジ性能と2400万画素の高画素性能を使って、ニコン レンズの性能を最大限引き出すことが可能である。

◎ニコン レンズを楽しむことができる

ニコンレンズを所有している方がライカM typ 240を購入した際には、ノボフレックス NOVOFLEX LEM/NIK NT マウントアダプターは是非とも欲しい製品である。また、ニコンレンズを所有していない方にも、ライカM用レンズが遥かに高額(40万円以上)なため気軽にライカM type240で撮影を楽しむためにマウントアダプターとニコンレンズをセットで購入するのもお勧めである。特に、ライカに存在しない魚眼レンズによる撮影はとても楽しい。

△正確なピント合わせを行うには、EVF2電子ビューファインダーが欠かせない

ライカMタイプ240には、ライブビュー機能が付いているため、マウントアダプターを使って他社製レンズを使っても、背面液晶画面を使ってピント合わせを行えるのが良い。しかし、精密なピント合わせを行うには、 EVF2 電子ビューファインダーが便利である。

△少々価格が高いのが難点である

ノボフレックス NOVOFLEX LEM/NIK NT マウントアダプターの実売価格は、23000円~30000円程度であり、ニコンやキヤノンの安いレンズが購入できてしまうほどの価格であるのが少々の難点である。しかし、ライカ M タイプ240を所有する者にとっては、その価格は誤差の範囲であり、またライカのレンズ(40万円以上)にくらべれ遥かに安いと言える。

△ニコンレンズへの接続、取り外しに少々のこつが必要

ニコンレンズに、ノボフレックス NOVOFLEX LEM/NIK NT マウントアダプターを接続した上でライカ Mカメラにレンズを接続するのだが、ニコンレンズにマウントアダプターを接続するのに少々のこつが必要である。マウントアダプターに、レンズが完全にはまると、カチっとレバーが動くのですが、マウントアダプターの遊びが殆ど無いため、かなり力を入れないといけない、がしかし、力を入れすぎてアダプター、またはレンズが破損してしまうのでは?というと感じることもある。また、マウントアダプターからレンズを取り外す際は、レバーをマウントアダプター側に倒したまま回してマウントアダプターを外すのだが、これまた遊びが全く無いマウントアダプターが固くてレンズが壊れてしまうのではと思ってしまうほどである。マウントアダプターに付属の日本語説明書にも、もし、レンズが取り外せなくなった場合は無理に外そうとせず、メーカーまで連絡して欲しいとある。つまり遊びが無く接続、取り外ししづらいのがこのマウントアダプターの悪い点である。遊びが無い程精密に作られているということだろう。

最初にレンズにマウントアダプターを接続して、カチッとレバーが倒れたことを確認した上で、次にレンズ+マウントアダプターをライカMに接続する、という順番が良いだろう。また、レンズにマウントアダプターを接続する際に固くて回らない場合は、無理に回そうとせず、レンズを持って、マウントアダプターを左右に回転させると接続しやすいことが分かった。接続する際は、レバーがカチッとレンズ側に倒れたことを確認する必要がある。完全にマウントアダプターがロックされていない状態で撮影すると、何かの弾みでレンズが外れてしまう懸念もあるからだ。

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