ライカM10-Dを購入して3ヶ月半利用した筆者が自分で経験した話、ライカM10-Dを同じく所有する知人から聞いた話を元に、ポジティブ話はもちろん、ネガティブ話、ネタ話も含めてライカM10-Dあるある話をご紹介しよう。ライカM10-Dのみでなく、ライカM10-P、ライカM10、ライカM240などライカレンジファインダー全般においてのあるあるもあるかも。
ライカM10-Dで撮影することが半端なく楽しい。国産ミラーレス、国産一眼レフと比べるとオートフォーカス機能も付いていない、自動絞り機能も付いていない。その上背面液晶画面の無いので撮った直後に写真を確認することもできない。でも楽しい。M10-Dで撮影することがなぜか楽しい。M10-Dで撮影することがなぜ楽しいのだろう。M10-Dで撮影することが楽しいと思える理由を挙げられるだけ挙げてみる。
ライカ レンジファインダーは、フォーカスも絞りも全てマニュアル操作で行う。操作が自動化されていないから、自分が取りたいとイメージした写真を自分の操作でセッティングし、レンジファインダーを除いて目の前の風景を自分で切り取るという感覚が国産ミラーレス、国産一眼レフとは全く異なる感覚である。
ライカM10-Dの操作感は、フィルムカメラを使う感覚に似ている。まずはシャッターレバー風のサムレスト、見ているだけでフィルムカメラっぽくて好きだ。その昔、始めてフィルムカメラを手に入れて写真撮影を楽しんだ頃の感覚を思い出す。背面液晶が無いのですぐに撮影写真を確認できないので、家に帰ってパソコンにデータを移動して撮影データを見ることは、フィルムカメラで撮影した後に現像にだし、できあがった写真をワクワクしながら確認する感覚に似ている。フィルムカメラを楽しんだ世代にとっては懐かしく、デジカメしか知らない世代にとっては新しい感覚かも知れないが、写真を撮影してその写真を待ちわびながら見るという行為は一般のデジカメでは味わえない楽しさだ。
レンジファインダーは覗き窓のような存在だ。ファインダーを覗くと目の前の光景がほぼ同じ大きさで見える。そしてそののぞき窓の中にレンズの撮影範囲が四角い枠で表示され、撮影範囲の外側も見える。一眼レフカメラは視野率といって、撮影範囲の何パーセント見えるかという指標があるがプロ用一眼レフは100%(つまり見えるものがそのまま写る)、エントリー機種の一眼レフは92%~100%未満程度である。つまり、最大撮影する範囲しか見えない。しかしレンジファインダーは撮影する範囲の外側も見えるので視野率でいうと100%以上である。レンジファインダーで撮影する感覚は、目の前に見える光景を四角い枠(ブライトフレーム)で「切り取る」という感覚、一眼レフで撮影する感覚は撮影する範囲を「探す」という感覚である。
この「切り取る」という感覚がなぜか楽しいのだ。一眼レフやミラーレスしか使ってことが無い人にその楽しさを伝えることは少々難しいが、自分でフレーミングして切り取る感覚がとにかく楽しい。そしてレンジファインダーの良い点は、撮影した瞬間もファインダー内がブラックアウトしないこともある。一眼レフもミラーレスもその仕組み上、撮影する瞬間にファインダー内が一瞬ブラックアウトしてしまう。レンジファインダーカメラはブラックアウトしないので目の前に流れる時間を分断することなく見ている自分にとってもその場面場面を切り取るという感覚を味わうことができる。
ライカのMマウントレンズは国産カメラのレンズと比べると何倍も高価である。しかしライカ純正のMマウントレンズで撮影するとなぜか、国産カメラのレンズで撮影した以上に印象的なライカらしい写真を撮影できる(ことがある)。国産レンズと比べると周辺減光もあり、またライカのオールドレンズは個性的なボケのあるレンズもあるがその個性からか、味わい深い写真を撮影できる(ことがある)。ここで「ことがある」と書いたのはうまく撮影できないこともあるからである。レンジファインダーでマニュアルフォーカス撮影すると、慣れないうちはピンボケ写真が量産される。またフレーミングのレンジファインダーの仕組み上事前にファインダーで確認した範囲と近い範囲が写るが、見えたものが写っていなかったり、思ったのと少しずれた範囲が写ることもある。
しかし、この「偶然性」がまた一つの「楽しさ」であると思う。それはボーリングでボールを投げると初心者が投げてもたまにストライクが出る。ストライクが出るとめちゃめちゃ嬉しいと思う感覚に似ている。またパチンコをプレイするとだいたいがお金を失うがたまに大当たりが出たときの喜び、という感覚にも似ている。毎回パーフェクトな写真を撮ることはできないが、時々予想以上にグレートな写真を撮影できたり、または偶然素敵な写真が撮影できることもあるというのが、ギャンブルやボーリングなどのスポーツにも似た楽しさの感覚と同じようなものなのかなと思う。
上述の通り、レンジファインダーで撮影することは楽しい。そしてM10-Dは電池消費量の激しいカメラだからできるだけ電池を消費しないようにしたいという思いも含めて、筆者は外付け電子ビューファインダーを付けずにレンジファインダーのみで撮影することが増えた。というのもM240を使っていた頃は(今でもM10-DとM240の2台体制でどちらかを使っている)外付け電子ビューファインダーを付けっぱなしで運用していたが、背面液晶液晶の無いM10-Dを使う際は電子ビューファインダーを使わずにレンジビューファインダーのみで撮影している。その結果、レンジファインダーで撮影する楽しさを再認識したと同時に、M10-Dがますます好きになった。
ライカ M10-D、レンズはズミクロン 50mm f/2 1st(1965年製)
筆者の息子が初めてM10-Dを見た時の第一声は「パパ、古いカメラを使ってるね」だった。パパ、ニヤリである( ̄ー ̄)ニヤリ。
ライカM10-Dは見た目が古い。なんと言ってもカメラの背面には液晶の代わりに円型ダイヤルがついていてシャッターボタンの近くにはシャッター巻き上げレバー(のような形のサムレスト)が付いている。さらにライカのオールドレンズを付けていたらこれは誰が見ても正に「古いカメラ」である。
ライカM10-Dに背面液晶画面は付いてので撮影直後に画面で写真を確認することなくテンポ良く撮影できる。撮影直後に写真を確認できないので後で撮影した写真を見ることが待ち遠しいというフィルムカメラを使っているような楽しさがある。
ISO設定も露出補正も絞りやシャッター値も機械的なダイヤル、リング操作で行うので電源を切った状態でも設定値を確認できる、自分の手で操作するという実感がある。電源オフでも設定を見ることができる。
シャッターレバー型のサムレストはカメラのホールド感を大きく高めてくれる。シャッターレバー型のサムレストに触れているだけでフィルムカメラを初めて手に入れた頃のこと、1枚1枚の写真を大切に撮っていたその昔感じた写真を撮影する楽しさを思い出させてくれる。
ライカM10-Dの見た目は古いカメラであり背面液晶画面も付いていないが、Wi-Fiを使ってスマホと接続すると撮影した写真をスマホで確認したり、スマホを使ってカメラをリモート操作を行うこともできる。数年前に発売されたM240の頃のライカ レンジファインダーと比べると革新的なテクノロジーがボディーの中には詰まっている。
ライカM10-Dの見た目が古いのに中身は新しい。他人からは「古いカメラを使っているね」と言われる。これが思わず人をだました時のように思わずニヤリとしてしまう楽しさの一つでもある。
ライカM10-Dの見た目は50年以上前に発売されたライカM3と比べても余り変化は無い。5年ほど前に発売されたM240と比べてもその変化は少ない。ライカを買い増したとしても、妻にすぐにばれてしまうことは無い。うまく購入すれば妻に内緒でライカを購入できる。
関連記事:妻に内緒でライカを購入する方法
ライカM10-D、電池に関するあるあるについて。
ライカ M10-DはライカM240と比べてかなり電池の減りが早い。背面液晶画面が無いので電池消費量は少ないように思えるが、M10-Dで1日お散歩撮影すると200枚前後撮影しただけでほとんど電池が無くなる。外付け電子ビューファインダーを使ったり、またはWi-Fi接続でスマホに接続して使うと本当にすぐに電池が無くなる。
ライカ M10-Dは、その以前のライカM240と比べると電池は小さくなり電池容量も少なくなった。ライカM10-Dがどんなに優れたカメラであっても電池とSDカードが無ければただの箱である、いやただの金属の塊である。
筆者はバッテリー2本体制でM10-Dを運用している。充電済みの電池を1本カメラバッグに入れた状態で同じカメラバッグのみを使っている。撮影が終了するとカメラ内の電池を取り出した後にバッグの中にある充電済みの電池を本体にいれ抜いた電池を充電する。万が一M10-Dのボディーに電池を入れていない場合は底蓋を閉めないままカメラを(防湿庫の中に)置いておく。電池が入れないまま撮影に出かけてしまうことを防ぐためだ。ちなみに、SDカードも同様に予備のカードを1枚カメラバッグに入れている。
ライカM240なら毎日充電しなくても良かったが、M10-Dは撮影が終わると毎回充電しないと次の撮影時に電池が切れてしまう恐れがある。だから、ライカM10-Dは予備電池の購入が必須である。
ライカM10-DはライカM240などそれ以前のカメラに比べてボディーが薄くなった分電池が薄く小さくならざるを得なかったのかも知れない。EVFを使わない、Wi-Fiを使わない状態では1日の撮影でもなんとか電池一本で足りる。
しかしWi-Fi接続設定時の電池消費量が特に激しい。ライカM10-Dの電源スイッチはカメラの背面にある円型ダイヤルを使ってON/OFFするが、電源OFFの状態からダイヤルを1段回すと電源ON、そのままもう一段回すとWi-FiがONになる。カメラ側でWi-Fi ONの位置にスイッチをセットするとスマホと接続していなくてもカメラ単体で大量の電力を消費してしまいすぐに電池残量が無くなってしまう。
M10-DのWi-Fi接続機能は便利であるがスマホに接続しない場合も電源スイッチをWi-Fi接続ONにしておくと撮影しない場合もすぐに電池が無くなる。
M10-Dの電源をONにしてWi-Fiを使わないつもりが円型ダイヤルを回しすぎてWi-FiをONにしてしまうことがある(意図せずに電池を食ってしまう)。Wi-FiをONの状態にしたままOFFすることを忘れてカメラバッグにしまってしまうとさあ大変。カメラを取り出して撮影しようとした時には、なぜかカメラ本体は熱くなり(Wi-Fi接続しようとしたまま電池を食い続けている)電池残量が大きく減ってしまう。
そしてカメラを覗いてもブライトフレームが見えず(ブライトフレームは内部のLEDによって表示されるので電池残量がゼロの場合はフレームが表示されない)、そして電池切れになってしまう。ということもある。
Wi-Fi ONでも10分~30分程度で電池残量がゼロになることは無いが、数時間経たずに電池を使い切るまで電池残量が減り続けてしまう。ライカさんへ提案させていただくが、電源がWi-Fi ONでも、スマホに接続しないまま数分、または一度スマホに接続したとしてもスマホ側で15分ほど操作しない場合はM10-Dのボディ側で自動的にWi-FiをOFFにして欲しい。そうすれば、意図せずにWi-FiをONにしたままバッグの中で電池残量がゼロになってしまうことは防げるだろう。
M10-Dは予備電池必須である。カメラバッグには充電済みの電池を1本以上入れて置くことをおすすめする。
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