ライカ M10-D におすすめのSDカード、SDHC SDXCカードは?(筆者撮影)
ライカ M10-D におすすめのSDカード、SDHC SDXCカードは?カードのサイズのおすすめは?複数サイズのカードを使って試した使い勝手を徹底検証してみる。上記写真は、全てSanDiskのSD/SDHC/SDXCカード、左から128MB、16GB、32GB(今回新規購入)、64GB、128GB。
SDメモリーカードには、SD、SD High Capacity (SDHC)、SD Extended Capacity (SDXC)の3種類の規格が存在する。それぞれの違いは、下記の通りファイルシステム(フォーマット方法)と対応メモリサイズ(容量)が異なる。
規格 | ファイルシステム | 対応メモリ容量 |
---|---|---|
SDカード | FAT16 | 128MB~2GB |
SDHCカード | FAT32 | 4GB~32GB |
SDXCカード | exFAT | 64GB~2TB |
上表の通り、SD < SDHC < SDXC の順番に対応容量が大きくなる。ライカ M10-DはSDカード、SDHCカード、SDXCカードの全てに対応している。ちなみに、ライカM240も上記全てのカードに公式対応しているがM10-Dで撮影したSDXCカードをM240に挿入するとカメラ本体で写真をプレビューできなかった(ファイル名一覧は見ることができたがプレビュー表示されない)のでM10-DとM240ではファイル保存形式などが若干異なるのかも知れない。
大きければ良いってものじゃない、ライカ M10-D におすすめのSDカード/SDHCカード/SDXCカードは?ライカM10-Dの撮像素子は2400万画素である。筆者がM10-Dで最近撮影した2000枚弱のファイルを調べて見たところ、撮影画像のファイルのサイズの目安は次の通りである。
ファイル | ファイルサイズの目安 | 平均ファイルサイズ |
---|---|---|
JPGファイル | 4MB~12MB | 7MB |
DNGファイル | 21MB~31MB | 25MB |
筆者は、JPGファイルとDNGファイル(RAWデータ)を同時記録する設定にしているので1枚の写真を撮影する度に約25MB~最大43MB程度のメモリ容量を消費することになる。桜の木やでこぼこしたピントの合った壁面を撮影するなど画像の複雑度が多い程ファイルサイズは大きくなり、青空や曇り空、または暗い場面など色や明暗の変化が少ない範囲が多い写真はファイルサイズが小さくなる。M10-DでJPGファイルとRAWデータを同時記録する場合の平均的なファイルサイズはJPG 7MB、DNG 25MB程度なので合計すると約32MBのファイルサイズということになる。ちなみに、画素数が4300万画素あるライカQ2で撮影した場合のファイルサイズはライカM10-Dで撮影したファイルサイズの2倍以上の80MB程度となる。
容量あたりのメモリ価格は年々安くなっている。余談であるが筆者が初めて購入したメモリは(SDカードではないが)今から20年近く前にNEC PC-9801シリーズの外付けメモリーカードであり当時2MB(2GBじゃないよ、2GBの1000分の1サイズの2MBだよ)で12万円だった記憶がある。それが今では32GBのSDHCカードが1000円で購入できる時代ある。さらに大容量の1TB(1MBの1000倍⇒1GB、さらにその1GBの1000倍⇒1TB)のSDXCカードを20000円程度で購入することもできる。
M10-Dで1日何枚の写真を撮影するだろうかと考えてみると、筆者の場合、お散歩にでかけて沢山撮影したとしても多い日で150枚程度しか撮影しない。ちなみに、ライカM10-Dのバッテリー1本で撮影できる撮影枚数の目安は筆者が実際に使用した感覚では150枚~200枚程度である。ライカM10-D+予備バッテリー1本をカメラバッグに入れて持ち歩けば1日の撮影でバッテリー切れになることなく十分撮影を楽しめる。
筆者はライカM10-D、ライカM240の他に、他社製一眼レフNIKON D6を使ってスポーツ撮影することもあるが、スポーツ撮影の場合秒速10コマの高速連写で大量に撮影するので1日の撮影枚数が2000枚を超えることがある。しかしライカM10-Dは連写撮影するカメラではなく、1枚1枚の撮影を楽しむカメラなので1日でそれほど大量に撮影する機会はほぼ無いと言えるだろう。1日の撮影枚数が多くても200枚程度であれば、上記で説明した1枚当たりの平均的な画像ファイルサイズ(JPGデータ+RAWデータファイルサイズ)32MBで考えると32MB × 200枚/日= 6.4GB/日。これを10日間ため込んだとしても64GBのメモリ容量があれば足りる。
フィルムカメラ時代を思い出して欲しい、1日何枚の写真を撮影していただろうか。36枚撮りのフィルムをカメラに装填して絞り値を決め、シャッター速度を決めてマニュアルフォーカスを行い魂込めて1枚の写真を大切に撮影していた。フィルムカメラには1枚1枚の写真を撮影する楽しみがあった。ライカM10-Dとは、高速連写でほとんど使われることがない大量の写真を量産するかめらでなく1つ1つの場面を1枚ずつ撮影することを楽しむカメラなのである。
メモリ容量128GB以上になるとメモリアクセスに時間がかかることにより使い勝手が悪くこともあり、筆者としてはメモリ容量は32GB、または64GBがおすすめである。
ライカM10-Dで使用するSDカード(SDHCカード、SDXCカード)は容量が何GBのメモリカードを購入すれば良いのだろうか。ずばり、筆者のおすすめは32GB、または64GBである。筆者はM10-Dを購入した際にSanDiskのSDXCカード128GB128GBのSDHCカードを20000円弱で購入して使っていた。しかし、当初はその容量の大きさが原因とは分からず使い勝手の悪さに悩んでいた。
容128GBのSDHCカードを使った際の使い勝手の悪さの理由は次の通りである。M10-Dの電源スイッチを入れるとカメラ背面のLEDがチカチカと点滅してメモリにアクセスする。また、M10-Dのカメラ内の撮影画像をスマホで見ることができるFOTOSアプリを使うとM10-DにWi-Fi接続するとM10-DのLEDライトが点滅してメモリカード内の撮影画像のサムネイルがM10-Dからスマホに転送されスマホ側で確認できるのであるがFOTOSで画像を見られるようになるまで数十秒待たされる感覚なのである。カメラ内に数百枚の画像が入っている場合はFOTOSで表示するまで時間がかかったり、または途中でなぜか接続が切れたり、またはFOTOSを使ってもカメラと接続できなくなる不具合が発生した。そんな時、ライカ銀座店へ行きFOTOSとの接続がうまくいかないことがあるむねライカの店員さんに相談してみたところ、メモリ容量サイズが大きいと接続できなかったり、接続に時間がかかるという不具合が確認されているとのことだった。
ライカ銀座店の店員さんにその話を聞いた直後にメモリカードを64GBのサイズに入れ替え、また、時々SDXCカードをフォーマットしてできるだけカード内の画像ファイル数を少なくするよう心がけたところ、M10-Dの起動時間も早くなり、FOTOSとの接続性も良くなった。
楽天やヤフーショッピングのライカM10-Dのネット販売ページを見ると「記録メディア SDメモリーカード(2GBまで)、SDHCメモリーカード(32GBまで)、SDXCメモリーカード(2TBまで)」と書いてあったりする、SDXCカードで2TBまで対応している、となると大きめの容量を購入した方が安心かな、と思ってしまうかも知れないが決して128GB以上のメモリカードを買ってはいけない。
(2019/9/5 追記) 2019/9/4にライカM10-Dの最新ファームウェアがリリースされた。アップデート情報によると、「
Leica FOTOS との接続性安定。800 コマ以上画像を記録しているカメラとスマートフォンを接続する際に発生した不具合を修正。」とあるので今まで発生していた(写真ファイルが大量記録された)大容量SDカードでのFOTOSとの接続不安定現象が改善されていることを願う。
関連記事: ライカM10-D ファームウェア アップデート 方法
筆者がM10-Dに一番おすすめするメモリカードは、SanDisk エクストリーム プロ SD UHS-IIカード 32GB(メーカー公式)である。SanDisk エクストリーム プロ SD UHS-IIカードには、128GB、64GB、32GBの3種類があるがおすすめは「32GB」のタイプだ。128GB、64GBはSDXCカード、32GBはSDHCカードとなる。メーカー公式ページによると、128GB、64GBよりも32GBの方が書き込み速度が速いと書かれている。SanDisk のUHS-IIカードは最大書き込み速度: 最大 260 MB/sとありそれだけメモリアクセスが早くなる可能性がある。ちなみに、ライカM10-Dは公式にはUHS-IIの最大書き込み速度には対応しているとは発表されていないが、メモリの性能が高いにもかかわらず32GB SDHCカードの実売価格は6000円前後(海外版)と手頃な値段で購入できる。
筆者は現在SanDisk SDHCカード UHS-II 32GBを使っているが、パソコン(Panasonic Let's note)でメモリカードからデータを取り込む際にも明らかにデータ転送速度が速くなったと感じる。
なお、SanDiskの正規輸入商品については無期限保証がついているが、海外からの平行輸入商品については製品保証は付かないので(安い)平行輸入商品を購入される方は自己責任で購入いただきたい。
M10-Dで撮影するに際にメモリカードに保管できる写真枚数を計算してみた。JPGデータとRAWデータ(ファイルの拡張子はDNG)を同時記録する場合、1枚撮影する毎にできる二つのファイルの合計ファイルサイズは32MB程度なので撮影可能写真枚数の目安は次の通り。
メモリカード容量 | 平均的な撮影可能枚数 |
---|---|
2GB | 50枚 |
4GB | 100枚 |
8GB | 250枚 |
16GB | 500枚 |
32GB ※おすすめ | 1000枚 |
64GB | 2000枚 |
128GB | 4000枚 |
フィルムカメラと同じように数十枚撮影する毎にSDカードを入れ替えてみようという方は2GBまたは4GBのメモリカードを使うこともできるが、SDカードを交換することなくたっぷりと撮影したいという方は16GB以上、できれば32GBのSDHCカード、または64GBのSDXCカードがおすすめである。上述の通り128GBのSDXCにたっぷりファイルを保管しすぎるとカメラの起動に時間がかかったり、スマホアプリFOTOSとカメラのWi-Fi接続に失敗してしまうので128GB以上のSDXCカードはおすすめしない。
SDカード、SDHC SDXCカードの裏面金属端子比較(筆者撮影)
上記の通り、写真のSD/SDHC/SDXCカードの中でSDHCカード UHS-II 32GBのみ金属端子の形が異なることに気づいた。SDHCカード UHS-II 32GBのみ、UHS-II対応の機器では300MB/sと圧倒的に高速転送できる仕様なので対応機器では端子数を増やすことによりおそらく並列読み書きしているのだろう(予測)。ライカM10-DはUHS-II には対応していないがSDHCカード UHS-II 32GBを問題無く使うことができた。それ以前に使っていた128GBのSDXCカードと比べるとカメラの電源スイッチを入れた直後に撮影可能になるまでの時間がほんの少し早くなったように感じる。また128GBのメモリーカードに数百枚の写真データを入れているとライカのスマホアプリFOTOSで接続に時間がかかったり、または接続に失敗することも多かったがこのSDHCカード UHS-II 32GBを使ってこまめにデータ転送後にデータ削除(またはフォーマット)を行うことによりFOTOSアプリの使い勝手も良くなることが期待できる。
SDカード、SDHCカード、SDXCカードを購入するならSanDisk製がおすすめだ。SanDiskのエクストリームシリーズは無期限保証の上、防水、耐温度、耐衝撃、耐X線、耐振動、耐磁性に優れ耐久性があるからだ(メーカー公式サイトより)。さらにSanDiskのSDカード、SDHCカード、SDXCカードにはデータ復旧ソフト(ダウンロード版)が付いており万が一削除したり壊れてしまったデータを復旧することができるので万が一の時も安心だ(データの保証、および復旧、復活を約束するものではありません)。
筆者はSDカード出始めの当初はトランセンド製、Panasonic製、Toshiba製など様々なメーカーのSDカードを使ってきたが今では信頼、安心のSanDisk製品のみを使っている。
いつも持ち歩くカメラバッグの中には予備のメモリカードを1枚入れておくと安心だ。万が一カメラの中にメモリカードを入れ忘れたまま撮影にでかけてしまうといざ撮影しようとしてもメモリカードがなければただの箱になってしまう。でも予備のSDカードがカバンの中に1枚あれば大丈夫。万が一メモリカードいっぱいに撮影してしまったとしても予備のSDカードが1枚あれば大丈夫。例えば今は使わなくなった16GBや8GBなどのメモリ容量が小さいSDカードであったとしても、1枚の予備があると無しでは大違いである。
余談であるが、カメラバッグの中に予備を入れるといえば、予備バッテリーも一つ入れておけばかなり安心だ。M10-Dは電池消費量が激しく、特にスイッチがWi-Fi接続モードに入ったままの場合、急速に電池容量を表示してしまう。
カメラバッグの中にはメモリカードと電池パックを1つずつ入れるのがおすすめ!
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