LEICA M10-D ファーストインプレッション レビューです。

2018/12/29更新

LEICA M10-D が我が家にやって来た

注文から50日、待ちに待ったLEICA M10-Dが届いた。我が家にやってきた新しい家族だ。

ライカ M10-D 開封

LEICA M10-D ボックス
LEICA M10-Dはいつものライカ製品と同様に銀色の箱に入っている。

LEICA M10-D 開梱 アンボックス
LEICA M10-Dを開梱、アンボックス。パカパカパカと四方の壁が開いて中から3段重ねの箱が出てくる。

LEICA M10-D unbox 本体
一番上の箱にはM10-D本体が入っている。

LEICA M10-D unbox 本体表
M10-D 表面

LEICA M10-D unbox 本体裏
M10-D 裏面、後ろ姿も美しい。

LEICA M10-D unbox 充電器、バッテリー、ケーブル、ストラップ
一番下の箱には充電器、バッテリー、ストラップ、ACケーブル(日本用とヨーロッパ用のコンセントに対応の2本入り)、自動車のシガーソケットを通じて充電するためのケーブルが含まれる。LEICA M240にも自動車シガーソケット対応のケーブルが含まれていたが筆者は一度も使ったことが無い。しかし自動車でライカと一緒に旅をするには便利なケーブルだ。

LEICA M10-D unbox 説明書など
真ん中の箱には説明書などが入っている。

LEICA M10-D ファーストインプレッション

LEICA M10-Dが届いたその日に銀座(東京都中央区)を歩きながら20ショットほど撮影してみた。使って見た感想、ファーストインプレッションは次の通り。

M10-D 実写サンプル
LEICA M10-D + SUMMICRON 50mm f2 1st。絞りf2、シャッター速度とISO値はオート設定(f2、ISO200、1/180秒)。ビルの陰から犬が顔を覗かせていた、しゃがんでレンジファインダーで犬の目にピントを合わせてショット。画像クリックで等倍jpgデータ。撮って出しの生JPGデータはこちら。RAWデータはこちら(L1000028.DNGのファイル名で保存してお使いください)

LEICA M10-DとLEICA M240との比較写真

筆者所有のM240(写真左)とM10-D(写真右)を並べてみた。

M10-D vs M240 front
LEICA M240 + SUMMILUX 35mm f1.4(左)、LEICA M10-D + SUMMICRON 50mm f2(右)

M10-D vs M240 top
LEICA M240 + SUMMILUX 35mm f1.4(左)、LEICA M10-D + SUMMICRON 50mm f2(右)

M10-D vs M240 back
LEICA M240 + SUMMILUX 35mm f1.4(左)、LEICA M10-D + SUMMICRON 50mm f2(右)。これほど後ろ姿の美しいデジカメが今まで存在しただろうか。

LEICA M10-D のボディは本当に美しい

M10-Dを一目見ただけで美しいと思わない人は居ないだろう。筆者が今まで見てきた何十台ものカメラの中でもM10-Dダントツに美しいボディだ。M10-Dの前面は他のライカカメラM240やM3などと同様のレンジファインダー特有の2窓が付いている。

そして天板部は一眼レフカメラに見られるようなペンタプリズムボックスは無く水平な形をしている。天板部のライカM240との違いは大きく3点。一つ目は天板部に刻印された筆記体によるLeicaの刻印、そしてLEICA CAMERA WETZLAR GERMANYの文字が誇らしげに輝いている。

第二はビューファインダ側の上部に付いているISO設定ホイール。フィルムライカのLEICA M3はこの位置にフィルム巻き戻しホイールが付いて居た。フィルムライカのと同様の円形ホイールが懐かしくそして美しい。ISO設定ホイールは出荷時のデフォルトではA(ISOオート)に設定されていた。ISOオートに設定すると絞り値、シャッタースピード(シャッタースピードもオート設定可能)に応じて自動的に最適なISOに設定される。ライカM240ではISO設定が最大6400までであったが実質利用推奨値はISO1600程度までだった。LEICA M10以降の機種である本ライカM10-Dは最大高感度がISO 50000まで利用可能である。出荷時のデフォルト値ではISOオート設定した際に最大ISO 12500までが自動的に使われる.高感度耐性については後日レビューするとしよう。ちなみに、M10-DのISOダイヤル変更はISOダイヤルを持ち上げて回すという操作で行う。A(オート設定)の最大ISO値は専用スマホアプリFOTOSで行うことができる。

天板部のLEICA M240との違い3つめはシャッター巻き上げレバーの形をしたサムレストである。M240と比べるとサムレストよりも天板部のLeica刻印およびISOダイヤルの違いが目立つが撮影時に最も違いを認識するのはこのサムレストレバーである。巻き上げレバーを巻き上げるように引き出すとそこで固定され、M10-Dを右手でホールドした際に親指をひっかけることによりカメラをしっかりとホールドできる。

そのほか天板部のM240との違いはM240で存在した動画撮影用のマイク穴がM10-Dでは無いこと、ホットシューの端子がM10-Dでは専用EVF VISOFLEXを接続するための多数の端子が付いていること、M240で存在した電源スイッチ、撮影モード(シングル、コンティニュー)切り替えスイッチがM10-Dには付いていないことが上げられる。ちなみに、M10-Dでは、シングルモード、コンテニューモード(低速、高速)の切り替えは専用スマホアプリFOTOSで行うことができる。M10-Dでは電源スイッチはカメラの背面にある円形ダイヤルで行う。

そして、M240を含めてライカのレンジファインダーデジカメと比べて圧倒的な違いは特徴的な背面部にある。デジカメに当たり前のように付いている背面液晶がM10-Dには無く、代わりにISO設定ダイヤルと電源ボタンを兼ねた円形のダイヤルが付いて居る。ライカのフィルムレンジファインダーM3では背面部に同様に円形ダイヤルが付いておりM3ではカメラの中に入っているフィルムのISO値をメモしておくための機能として使われていた。

ボディの厚みはM240と比べるとずいぶんと薄くなっている。カタログスペック上はM240のボディの厚みが42mm、LEICA M10-Dのボディの厚みは37.9mmと4.1mm薄くなっているが実際に使った感覚ではボディの厚さの違いはそれほど感じなかった。おそらくM240、M10-Dともにボディグリップ部分が少し盛り上がったレザーケースを付けて使用していることも影響しているだろう。M240とM10-Dを上部から撮影した写真を見ると若干M10-Dの方がボディが薄くなっていることが分かる。

LEICA M10-D はシャッター音が小さい

LEICA M10-Dは史上最もシャッター音の小さいレンジファインダーカメラだとライカは言っていたが、実際にM10-Dを使って見ると想像していた以上にシャッター音が小さいと感じた。筆者はライカ M240、M3も所有するがそれと比べても音が小さい。静かな室内でシャッターを押すと、ささやくような本当に小さな音で「プシュッ」と小さな音が聞こえる程度。屋外の雑踏の中でシャッターを押すとギリギリ撮影者である自分に聞こえる程度おそらくスナップ写真を撮影しても相手にはシャッター音は聞こえないくらい小さな音だ。

他社メーカーのプロフェッショナル一眼レフはシャッター音が「ガシャンッ」「カシャッ」などと高音が響く。さらに連写なんてしようものなら「カシャカシャカシャ」「ガガガガガガッ」などと(ライカと比べると)とんでもなく大きなシャッター音がする。ライカのシャッター音、このM10-Dのシャッター音は本当に小さな音で「プシュン」と鳴るだけ。聞いていて心地よい音だ。

ニコンやキヤノンのプロ用一眼レフと比べるとペンタプリズム部分が存在しない見た目が小さなカメラであること、そしてシャッター音が非常に小さいことからスナップ写真を撮影する際にも被写体に対して威圧感を与えることなく自然な姿を撮影できることがライカ レンジファインダーカメラの大きなメリットだ。

LEICA M10-D、シャッターレバーのようなサムレストは意外と使い勝手が良い

M10-Dの特徴の一つであるシャッターレバーのような形をしたサムレスト。M10-Dを購入するまでは単なる飾りか?とも思って居たが使って見ると意外と使い勝手が良い。LEICA M10-Dはボディーグリップなしのカメラなのでそのまま手で握ると手が滑りそうであるが(それがライカの味でもあるのだが)M10-Dのサムレストに親指を引っかけて見るとカメラがしっかりと手と一体化するのが心地良い。サムレストレバーにはスイッチオンやシャッターチャージなどの機能が付いていないが、シャッターレバーを手前に広げるとスリープモードから復帰して即撮影できるなどの機能があっても面白いと思う。

LEICA M10-D は背面液晶が無いのでフィルムカメラのように現像する楽しみがある

M10-Dには背面液晶が付いて居ない、だから撮影した写真を撮影直後にカメラ上で確認することができない。背面液晶が無い分、うまく撮れたかどうか画面を確認しながら撮影を行うことなくリズム良くスナップ撮影が行えるのがデジカメに使い慣れた現代では不思議な感覚だ。どんが撮れただろうかとわくわくしながら写真データを見る楽しみはフィルムカメラ時代以来忘れていたワクワク感だ。フィルムカメラ時代には写真を撮影する際に測光しながら絞り値とシャッタースピードを考えながら、そしてマニュアルフォーカスでピントを合わせて一枚一枚大切に撮っていたことを思い出した。ライカM10-Dは、絞り優先撮影、ISOオート撮影、そして連続撮影もできるのでフィルム時代のカメラと比べると遙かに便利に使うことができる。

電池の持ちが悪い

ライカM240と比べるとM10-Dはバッテリーが一回り小さくなった。M10-Dは背面液晶もないのでレンジファインダー撮影を行うだけでは問題ないかも知れないが、Wi-Fi接続機能を使ったり、VISOFLEX(電子ビューファインダー)を使うと本当に早く電池が無くなる。今回ファーストインプレッション記事を書くために新品電池をフル充電した後に何度かWi-Fi接続、カメラ設定、写真を20枚ほど撮影、専用アプリFOTOSでデータの閲覧、ダウンロードテスト、VISOFLEXの動作確認を行っただけで電池の残量が45%になってしまった。たった20枚の撮影で電池容量が半分以下になってしまうということは、Wi-Fi利用したりVISOFLEX利用を行うと実質50枚程度しか撮影できないということだろうか?それはあまりに電池容量が少なすぎる。今回購入後初めての利用+様々な動作確認を行ったため普段利用とは使い方が異なるので参考程度と思って欲しい。今後M10-Dを長期間使う中で再度電池の持ちについて検証したい。

という訳で、M10-Dを使うには予備バッテリーの購入は必須といえる。

ライカ M10-D 購入予約、ライカM10-D在庫、ライカM10-Dの最安値は?

主要通販サイトでライカM10-D、安く購入できる、購入できる可能性が高いオンラインショップリストはこちら。表示価格は変更される可能性があるので、下記リストを全てチェックしてみよう。

Leica M10-D 背面液晶無し デジタルレンジファインダーカメラ
Leica M10-D用純正バッテリー

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