ライカM10-Dのマニュアルに含まれるライカM10-Dビューファインダー図から、ビューファインダーの見え方について解説する。
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LEICA M10-Dのレンジファインダーをのぞくと次のように表示される。これまでライカM3などのライカフィルムカメラを使った経験がある方、またはLEICA M typ240などのライカMシリーズのレンジファインダーデジカメを使った経験のある方にとってはおなじみのシンプルなライカビューファインダー表示だ。しかし、ライカ レンジファインダーを使ったことがない方にとってはこのシンプルな表示でどうやってカメラを操作するのだろうと疑問に思うかも知れない。
1.ブライトフレーム(上図の例では50mmの撮影範囲と75mmの撮影範囲が枠で表示されている)
2.フォーカシング測距枠
3.ディスプレイ⇒下記で詳細説明する
それでは、1.ブライトフレーム、2.フォーカシング測距枠、3.ディスプレイの見方、使い方について順に説明していこう。
Leica M10-Dのビューファインダーは、ライカの他のMシリーズレンジファインダーとほぼ同じ使い方だ。ビューファインダーを覗くとレンズの焦点距離に関係なく目の前に見ているものがほぼそのままの倍率でビューファインダーいっぱいに見える。いわゆる、小さなの覗き穴から世界を覗いているような感覚だ。ビューファインダーで見える世界はM10-Dについているレンズを通さず、ボディー前面の窓を通じて見た世界だ。カメラのビューファインダーに右目を当てて、左目はカメラの左側から目の前を見ながら両目を開けてみると左右の両方の目でほぼ同じ世界を見ていることが分かるだろう。
ビューファインダー中に上図の1の通り見える白い枠(二つ表示される)をブライトフレームと言う。これが撮影すると写真に写る範囲だ。ライカMシステムのレンズの焦点距離によって、自動的にブライトフレームの枠の大きさが次の大きさに切り替わる。M10-Dではレンズの焦点距離により次の大きさのブライトフレームが表示される。
使用するレンズ | ブライトフレームの大きさ |
35mmレンズ、135mmレンズ | 35mmと135mm |
50mmレンズ、75mmレンズ | 50mmと75mm |
28mmレンズ、90mmレンズ | 28mmと90mm |
なお、昔のライカはブライトフレームの種類が少なく機種により次のブライトフレームが表示された。
ライカ カメラ | ブライトフレーム |
M2 | 35mm / 50mm / 90mm |
M3 | 50mm / 90mm / 135mm |
M4、M5 | 50mm / 90mm / 35mm・135mm |
M6以降 | 50mm・75mm / 28mm・90mm / 35mm・135mm |
上記の焦点距離以外のレンズを使う際に撮影範囲を知る方法は次の3つの方法がある。
ライカM10-D以前にもM-Dという背面液晶が無いレンジファインダーデジカメを販売していたがM-Dはアプリを使うことができずまた電子ビューファインダーも無かったので広角レンズを使うには外付けの光学ビューファインダーを使うしかなかった。M10-Dでは、電子ビューファインダーも使える、専用アプリFOTOSを使ってライブビュー撮影も行うことができるのは革命的な進化と言えるだろう。
Leica M10-Dにはオートフォーカス機能が付いていない、M10-Dに限らずライカMシステムはすべてマニュアルフォーカスでピントを合わせる。ライカMシステムレンジファインダーは、ファインダー内の中央に表示される2フォーカシング測距枠を使ってマニュアルフォーカスを行う。
もし手元にライカMシステムレンジファインダー(M10-D等)があるならビューファインダーを覗きながらフォーカスリングを回してみて欲しい。ビューファインダー中央のフォーカシング測距枠内が左右に動いているのが見えるはずだ。そしてよく見るとそれは二重像に見える。フォーカスリングを回しながらその二重像が一致した地点、それがピントが合っている距離なのだ。
ライカM10-Dでは、この二重像合致方式でマニュアルフォーカスを行う。その仕組みはカメラボディの前面の上部に表示される二つの窓だ。この窓を通じてカメラ内の機構が距離を測定しながら二重像を左右に動かしながら距離を測定するのだ。人間の目と同じ仕組みで目の前を見ながらより目にしたり遠くを見たりすると目の前の世界が二重像で左右に動くのが見えるだろう、それと同じ仕組みで距離を測定する。まだこの世に電子機器が存在しなかった60年以上も昔にこの二重像合致式によるフォーカスを機械的な機構だけで行えるようにライカが開発した方式だ。最初にこの方式を思いついて、そして実現してしまったライカの技術者は正に天才的と言える。
撮影する対象物が垂直に立っている棒や建物の角だったりする場合二重像合致式を使いつつ、スピリットイメージ式のマニュアルフォーカスを行うこともできる。ビューファインダー内の二重像合致式で使った測距枠のさらに中央エリアとその測距枠の周辺の極細いエリアを使って縦のラインが一直線になるまでフォーカスリングを回してマニュアルフォーカスを行うことができる。スプリットイメージという名称は、20年以上のマニュアルフォーカスフィルム一眼レフを使ったことがある方にとっては一眼レフのマニュアルフォーカスでも同じスプリットイメージってあったなあと思い出すだろう。
背面液晶画面などのディスプレイがカメラ本体に付いていないM10-Dは、ビューファインダー内に下部に表示されるディスプレイだけがカメラから人間に複雑な情報を伝えることができる唯一の方法と言えよう(専用アプリFOTOSを除く)。ディスプレイ表示の見え方、情報の意味は次の通りだ。
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