2015年6月20日(土)にライカ銀座店2Fで行われたライカQ発表イベントに参加した。店内には招待客が30名ほど参加、ハービー・山口氏トークショー、ライカQのタッチ&トライが行われ実際にライカQに触れることができた。実物に触れて気付いた点をお伝えする(随時記事追加中)。
撮影データ:LEICA M / ISO800 / NOCTILUX 50mm / f1.4 / 1/125s / ヴィヴィッド (画像クリックで生データ)
ライカQ の実物を触ってきた。ライカQの背面にはLEICA CAMERA WETZLAR GERMANYの文字が輝いている。
ライカQは、普通のコンパクトカメラ、中身は日本製かパナ製かと思い、あまり期待していなかったのだが、実際に触ってみると、思わず欲しくなってしまった。ライカQの価格は約58万円と非常に高価なカメラであるため、すぐに買うほどの勇気は無いし、また購入したくても、国内在庫は無く、数ヶ月待ちにおなるものと思われる。では、ライカQに実際に触れた感想を書いてみよう。
フルサイズセンサーのコンパクトカメラとしては、世界最高速クラスの性能という。ファインダーを覗いて撮影しようとシャッターボタンを少し押すと、その瞬間にピントが合う。手前の被写体、遠方の被写体と交互にピント合わせを行ったが、素早く、そしてピタリと正確にピントが合うのには驚いた。ライカMを使って1枚1枚の写真を丁寧に撮影することも楽しいが、この瞬間にピントが合い素早く撮影できるこの感覚は素晴らしいと思った。
手持ち撮影の場合は背面液晶で撮影風景を確認できるが、ファインダーを覗いた瞬間にファインダー内液晶が点灯し、ファインダースタイルでの撮影ができる。ファインダーには近接センサーが付いており顔が近づいたことを認識するという。ライカ店員によると、感度調整機能があるため、メガネを掛けていても最適に動作するという。ライカM240の電子ビューファインダーEVFは、背面液晶とファインダー液晶の切替が手動のため、撮影する、撮影画像を見る、撮影するを行ったり来たりしながら撮影する際に操作に手間取るが、このライカQは違う。ファインダーを覗くとファインダー内液晶が点灯し、画像確認などの背面液晶操作が必要な際には自動的に背面液晶が点灯する。このちょっとした使い勝手が素晴らしい仕組みだ。
ライカQに付いているレンズは28mmの単焦点レンズではあるが、ライカQ背面のボタンを押すだけで瞬時に35mm、50mmレンズとして電子的に切り替えて撮影できる。35mm、50mmは、実際はクロップ撮影であり、撮像素子に映った映像の中央部分が切り取られて画像ファイル(JPGファイル)として記録される。ああ、なんだ、単なるクロップかと思ったらライカは違う。ファインダー全体に映る被写体は28mmレンズで見た映像が映り、35mm、50mmの場合はライカカメラのファインダーのようにファインダー内の液晶の中央に白くて四角いブライトフレームが出現するのだ。つまり、ファインダー内で見えている景色は28mm、その中の四角いブライトフレームで囲まれた範囲が35mm、または50mmレンズとして記録される、という意味である。通常の高級一眼レフは見えている景色が100%そのまま映ります、と視野率100%をうたうが、このライカQは違う、35mm、50mmレンズとして撮影する場合は、映る範囲の外側(28mmレンズの範囲)までが見えるのだ。だから、目の前の景色をそのまま切り取る、というライカらしい撮影を行うことができる。
ライカであれば、標準レンズが35mm、または50mmレンズと言われているが、このライカQなら、慣れた35mm、または50mmレンズとして撮影を楽しむことができる。しかも、28mm、35mm、50mmレンズ3本を持ち在るくことなく、このコンパクトなカメラ ライカQ 1台だけで、3本分のレンズを楽しむことができる。なんてお得なんだろう。
ライカQの凄さはこれだけでは無い、35mm、50mmレンズ設定で撮影した場合に、通常の画像ファイルJPGファイルは指定したレンズ設定の写真が記録されるが、RAWデータ(DNGデータ)、つまり生データには、28mmレンズの映像が記録される。つまり、35mmレンズ、50mmレンズとして撮影して、あとちょっとだけカメラを上下左右にずらしていればもっといい写真が撮れた、あとちょっとだけ外側を映していたら良かった、というそんな時には、RAWデータをphotoshopなどの写真編集ソフトで開けば、なんと、映したJPG写真の外側が映っているのだ(28mmレンズの範囲が記録されている)。これって凄いメリットだと思う。
既にライカカメラをもたれている方は、50mmレンズや35mmレンズは持たれていることだろう。ライカQは28mmレンズなので、既にライカを所有されている方にも、28mmレンズを使って今までとは違う写真を撮影することができるマストバイカメラと言えるだろう。さらに、28mm、35mm、50mmレンズと3本のレンズを持ち運ぶことなく、ライカQだけでレンズ3本分の撮影を楽しむことができる、正に機動性の高いカメラと言える。
ライカQにはマクロ機能が付いている。レンズ上部のマクロ切替ダイヤルを回すと、レンズが機械的に繰り出されてマクロ撮影が可能となる。レンズに彫り込まれたフォーカシング指標が機械的に、マクロモードに切り替わるギミックが面白い。
ライカMなどの通常のライカカメラは最短撮影距離が1mまたは70cmと、マクロ撮影には適さない。マクロ撮影を行う際には、マクロレンズを購入するか、マクロアダプターを購入する必要があったが、このライカQは、ライカQ単体だけで、17cmまで寄れるマクロ撮影を楽しむことができる。
ライカQのボディやレンズは金属でできている。国産カメラのような安いプラスチック製では無い。カメラの指標は印刷でなく、金属に文字が彫り込まれたものであり、ライカMボディやライカMレンズをと同様に、頑丈で金属の固まり感を楽しめる、ライカらしい作りとなっている。
ライカQは、伝統的なライカらしいカメラでありながら、最新の電子テクノロジーが組み込まれた革新的なカメラでもある。ライカQを手に持つと、伝統のライカを所有するという満足感に浸りつつ、その撮影スタイルは最新の国産カメラにも負けない革新的なテクノロジーが組み込まれたカメラでもある。58万円という価格が高いと思うか、安いと思うか、あなたの価値観次第である。
発売日 | 2015年6月20日 |
価格 | 約58万円(税込) |
レンズ | 28mm f1.7(固定式) |
撮影画角 | 28mm / 35mm / 50mm (jpgデータはクロップ撮影、RAWデータは28mm画角で記録される) |
撮像素子 | 有効約2400万画素のフルサイズCMOSセンサー、光学手ぶれ補正機能搭載 |
EVF | 368万画素の電子ビューファインダー搭載 |
ライカQ純正ケース3種類。写真、ライカQの上、左から、ホルスターケース、速写ケース、プロテクター。ライカスタッフによると、プロテクターが一番売れているとのこと。
ホルスターケースは、横向きにライカQを収納して、肩から斜めにさげるケースであるが、個人的には少々使いづらそうに感じた。傷を付けないことを目的とするならば、カメラの下半分に付けるプロテクターをおすすめする。ライカMの純正プロテクターと異なり、ボディー下部の電池ケース・SDカード挿入部のプロテクターケースが開く方式となっている。ライカMのプロテクターは、下部が全て覆われているため、電池交換やSDカード交換を行う度にプロテクターを取り外すのが面倒であったが、こちらのライカQ専用プロテクターは非常に使いやすく作られている。また、ボディの三脚穴を使ってしっかりとカメラに固定できるようになっている。
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